キャンピングカーの暖房には何が使われているのか?
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キャンピングカーは冬でも旅をする
キャンピングカーを手に入れたら、行きたいところがたくさん出てくると思います。休みになれば、長期で旅行もしたくなりますよね。GW、夏休み、そして、冬休み。さて、どこに行こうかと計画を立てるのも楽しい時間です。
キャンピングカーのオーナーは、年間を通して、1年中活発に行動されている方が多いようです。キャンプやアウトドアでは気が引けてしまう冬でも、キャンピングカーオーナーはアクティブ。スキー場の駐車場でキャンピングカーを見かけることも多いと思います。
キャンピングカーで冬の北海道に
なかには、キャンピングカーで冬の北海道を旅行する人もいます。寒さは厳しいですが、キャンピングカーであれば、快適に過ごすことも可能です。もちろん、雪道の運転は注意が必要です。しかし、それ以上に冬の北海道には魅力がたくさんあるようです。
食事も美味しいし、スキーなどのアクティビティも魅力的です。また、北海道らしい冬の大自然は、他では体験することができない光景です。冬の北海道をキャンピングカーで体験した人は、また冬に行きたくなってしまう、というのも理解できるかもしれません。
キャンピングカーはエアコンで暖房するの?
では、キャンピングカーの場合、冬の暖房はどうしているのでしょうか。最近では大容量のバッテリーシステムを使って、夏にエアコンを利用する人も増えてきました。家庭用エアコンを装備していれば、暖房も可能なはずです。
しかし、暖房にエアコンをメインで使っている人は少ないかもしれません。やはり、消費電力が大きく、冷房に比べると電気をたくさん使ってしまうので、バッテリーに不安を感じてしまいます。ソーラーパネルをつけていても、冬の発電量は少なくなっていますので。
FFヒーターとは
そこで、キャンピングカーの冬の暖房として利用されているのが、FFヒーターと呼ばれる暖房器具です。カタログなどを見ていると、オプション装備などで、必ず出て来る名前です。後付で設置することも可能ですが、購入時に装備するのが一般的かもしれません。
寒さの厳しい寒冷地では広く知られている、FF式ストーブという住宅用暖房器具がありますが、FFヒーターも同じシステムを利用しています。FFとは強制吸排気を意味していて、室内の空気を汚さない暖房として、寒い地域や施設などでは広く利用されています。
FFヒーターの安全性
燃焼系の一般的なストーブは、燃焼するための空気を室内から取り込み、燃焼後の排気ガスを少なからず室内に放出しています。灯油ストーブなどには、かならず換気することが書かれているのは、この燃焼方法に理由があります。
一方、FF式の場合は、燃焼用の空気を外気から取り込んで、燃焼時の排気を室外に出すようになっていいます。燃焼する場所はストーブ本体の中にありますが、燃焼のための空気の流れは、完全に室内とは分離しているのが特徴です。
暖められたストーブ内の燃焼部に、室内の空気を通して、室内をあたためるので、空気を汚すことがありません。このシステムを使った、クルマ用の暖房器具がFFヒーターとなります。狭いスペースでもあっても、吸排気を外気と直結することで、車内でも安心して利用できます。
FFヒーターはプロにおまかせ
FFヒーターは安全性が高いシステムですが、クルマは動くモノですので、振動などによって、住宅以上に環境は厳しい状態です。燃料のラインを設置したり、室内に排気ガスがもれないように配管するなど、専門的な知識と技術が必要なので、必ず専門店で設置をお願いしましょう。
また、インターネットなどでは、安価な器具も販売されていますが、そのような商品はオススメできません。安全性を買うつもりで、しっかりとしたメーカーのモノを選んでください。ヨーロッパの厳しい基準をクリアした安全性の高いFFヒーターがオススメです。
FFヒーターの使い方
キャンピングカーにセットされたFFヒーターの使い方は簡単です。スイッチをオンすれば点火、温度調整が自動で行われます。これまでダイヤルのみのスイッチが一般的でしたが、最近ではディスプレイ付きのコントローラーも登場しています。
日本語にも対応していて、タイマーセットできるものもあります。さらに、標高の高い場所での燃焼プログラムを変更する機能までついているタイプもあり、FFヒーターは日々進化しているようです。
FFヒーター消費電力・燃費について
実際にFFヒーターを使ってみると、初めての人は、その効果に驚くかもしれません。しっかりと暖められて、雪に覆われた場所であっても、Tシャツで過ごせるぐらいまで、室内を温めることができます。
暖房効果は高いですが、消費電力、消費燃料が少ないのも特徴です。FFヒーターで有名なベバストのホームページで確認してみると、消費量は下の表の通りです。消費電力は14〜29W、消費燃料は1時間あたり、0.14〜0.27リットル。一晩使ってもガソリン消費量は1リットル程度。効率の良さが分かります。
燃料 | 電圧(V) | 暖房能力(kW) | 燃料消費量(l/h) | 消費電力(W) |
ガソリン | 12 | 1.0〜2.0 | 0.14〜0.27 | 14〜29 |
軽油 | 12 / 24 | 0.9〜2.0 | 0.12〜0.24 | 14〜29 |