コンパクトキャンパーのベース車!タウンエースとNV200を比べてみた!

まめ知識

人気の高いコンパクトバンコンのベース車といえば、タウンエースかNV200になるだろう!

国産キャンピングカーでは、バンコンバージョンタイプがもっとも生産台数が多い。中でもハイエース(キャラバン)ベースは、圧倒的な人気ぶりだが、ボディサイズや価格面、使用人数などからコンパクトモデルを選ぶ方も多い。いわゆる、ハイエース未満、軽キャン以上!という使いやすいサイズ感だ。
そうなってくると「トヨタ・タウンエース」「日産・NV200バネット」の2車種が選択範囲となってくる。

ルーフ架装をしたキャンピングカー登録のモデルもあるが、バン(貨物車)のまま内装を組み込んだ4ナンバー登録のタイプの人気が高いのもこのクラスの特徴だといえる。登録の区分ではなく、使い勝手のよい装備が搭載されていれば、それでよいという、バン登録のキャンパー(車中泊仕様?の方がいいのかな?)というジャンルが認知されてきたということだ。

さてそれでは、この2車種を比較してみたい。

フロットモビールの人気モデル タウンエースベース「シュピーレン」

トヨタのタウンエースは、1976年に小型のバン/トラックとして生産が開始された。現行車は、ダイハツのインドネシア工場で生産されている「グランマックス」のOEM供給を受けている。写真のバンのほかにトラックもラインナップする。
同様にOEM供給されているのが、マツダ・ボンゴだ。ダイハツも日本国内での取り扱いを開始しているので、3メーカーが同一車を違う名前で扱っている。

キャンピングカー広島のPOPアップキャンパー NV200ベース「ポップコン」

日産のNV200バネット、こちらも1978年にバネットバン/トラックとして誕生した。現行車は、世界戦略モデルとして日本国内工場のほか、スペイン、中国、インド、メキシコなどでも生産されている。写真はバンベースだがワゴン車もある。トラックは設定がない。
こちらもOEM供給で、三菱自動車デリカD:3としても扱われた時期があったが、現在は休止している。
ちなみに世界戦略車として各国で生産されていることから、車両構成部品(ボルト/ナット類含め)などがインチ規格となっているので、ご自分でメンテナンスなどをされる方は、ご注意を!

キャンピングカーのベース車としてのポテンシャルは!?

双方とも昔のワンボックスタイプ(キャブオーバー)と違い、フロントタイヤでボンネットがあるミニバンタイプとなっている。運転もミニバンに乗ったことがある方ならまったく問題ないだろう。

●ボディサイズ
・タウンエース(2WD):全長4065mm 全幅1665mm 全高1930mm
・日産NV200(2WD):全長4400mm 全幅1695mm 全高1855mm
■フロントノーズが長い分、NV200の方が全長が長くなっている。世界中で販売されるため各国の保安基準に適合させる設計のためだ。

●車内のサイズ(リア部分の有効サイズ)
・タウンエース:長さ2045mm 幅1495mm 高さ1305mm
・日産NV200:長さ1900mm 幅1500mm 高さ1315mm
■ほぼ同じに見えるが、スクエアな形状のタウンエースの方が少し広いといえる。

●エンジン
・タウンエース(ミッション:5MT/4AT)

燃料無鉛レギュラーガソリン
排気量1.496cc
最高出力71kw(97ps)/6,000rpm
最大トルク134N・m(13.7kgf・m)/4,400rpm
※アイドリングストップ機能付き

・日産NV200(ミッション:CVT/4AT)

燃料無鉛レギュラーガソリン
排気量1.597 cc
最高出力83kW(113PS)/5600rpm
最大トルク150N・m(15.3kgf・m)/4000rpm
※アイドリングストップ機能付き

■NV200の方がエンジン出力も高くワゴン車の設定もある基本設計なので、トータルの走行性能は高いといえる。双方ともに低排出ガス基準に適合したエコエンジンとなっている。

●安全性能
・タウンエース:セーフティ・サポートカーS<ワイド>
衝突回避支援ブレーキ、衝突警報、車線逸脱警報、ブレーキ制御付誤発進抑制、など
・日産NV200:ニッサンインテリジェントモビリティ
エマージェンシーブレーキ、LDW(車線逸脱警報)、ヒルスタートアシスト、標識検知機能、など
■双方ともに最新の安全運転支援システムを搭載している。普通車やワゴン車などから乗り換えても不安に思うことはないだろう。これにオートクルーズ機能がオプションでもいいから設定されるといいと感じる方は多いだろう。

相対的に見てどちらを選ぶか!?

一昔前は、トヨタ派とか日産派とか、メーカーファンがいたりしたが、これだけOEM供給車両が増えてくると?そういったこともなくなってくるような気がする。本稿のタウンエース然り、元のメーカーはダイハツ工業である。まぁトヨタグループといえばそれまでなのだが、どちらに軍配が?という話ではない。
単純に言えば、走行性能やスタイリングで選ぶならNV200、広さや取り回しを選ぶならタウンエースといったところだろうか。
どちらの車種もベース車として扱っているビルダーは多くある。室内レイアウトも装備も様々だし、ボディ架装(POPアップや成形ルーフなど)モデルなど多岐にわたる。実際にその目で見て決められるのがいちばんである。

2021年8月10日現在の情報です。

文:山本公紀