キャンピングカーは特別な免許が必要ですか?

まめ知識

ほとんどのクルマは特別な免許が必要ありません

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装備が充実しているキャンピングカーはボディサイズも大きいので、初めてクルマを見た人は驚くかもしれません。そんな時、よく聞かれるのが「このキャンピングカーは普通の免許で運転できるんですか」という質問。でも、そんなに気にすることはありません。

ほとんどのキャンピングカーが普通免許で運転できるんです。なので、自走式のキャンピングカーを選ぶ時は、大きいからといって敬遠することなく、幅広いクルマの中から選んでみてください。もちろん、駐車スペースや運転への不安がある人は別ですが。

それでは、運転できるキャンピングカーをもっと知るために、まずは免許についておさらいをしてみましょう。

750kgを超えるトレーラーはけん引免許

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自走式のキャンピングカーの場合はそれほど気にしなくていいのですが、けん引するキャンピングトレーラーは特別な免許を必要とするモデルが多数あります。それは重量で区分されていて、トレーラーの総重量が750kgを超える場合はけん引免許が必要となります。

しかし、けん引免許は教習所で12時間程度の講習で取得できます。免許を取ることでトレーラーの基本的な動き方を学べるので、750kg以下のトレーラーをけん引するだけというユーザーであっても、けん引免許を取得しておくというのもいいでしょう。

どんな免許証があるのか

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一般的な自動車免許の種類は大型自動車免許、中型自動車免許、準中型自動車免許、普通自動車免許に分かれています。それ以外にも中型・準中型限定免許というのがあって、2017年以前に取得された免許で、免許証に「中型車(◯t)に限る」と記されている免許がそうです。

免許制度は度々変更されているので、以前はなかった中型・準中型が追加されるなど、やや複雑になってきました。それでも、ほとんどのキャンピングカーは普通免許で乗れるようになっています。気をつけるのは車両総重量だけです。

免許ごとに運転できる車両

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各免許で運転できるクルマのサイズは表の通りです。普通免許だけを持っている人でも車両重量3.5t未満のクルマを運転できるのです。実はサイズよりも重量が重要なんです。あとは乗車定員、ほとんどのキャンピングカーが乗車定員10人以下となっていますよ。

免許区分車両総重量最大積載量乗車定員
大型自動車11,000kg以上6,500kg以上30人以上
中型自動車7,500kg以上11,000kg未満4,500kg以上6,500kg未満11人以上29人以下
8トン限定中型8,000kg未満5,000kg未満10人以下
準中型自動車3,500kg以上7,500kg未満2,000kg以上4,500kg未満10人以下
5トン限定準中型5,000kg未満3,000kg未満10人以下
普通自動車3,500kg未満2,000kg未満10人以下

※中型、準中型は免許の区分をわかりやすくするために、範囲の下限も併記していますが、それ以下の車両も運転が可能です。

補足ですが、AT限定免許の場合、キャンピングカーはベース車両のミッションで運転できるクルマが決まってきます。オートマ、マニュアルとなっていれば分かりやすいですが、マニュアルミッションをオートマチック動作させるクルマもあります。

例えばスズキの5AGSとかですね。こちらはAT限定免許で運転できますのでご安心を。輸入車にはこのタイプが意外と多いので、ショップに確認してみてください。

コースターなどは大型免許が必要では?

運転できる車両の区分が基本的には重量で区切られているので、キャンピングカーといえども、それほど重量オーバーするクルマはありません。だから、普通免許でほとんどのクルマが運転できるといっていいのです。

しかし、マイクロバスは中型・大型免許が必要なので、マイクロバスベースのクルマはどうなるのかと疑問に感じる人も多いようです。マイクロバスは乗車定員が11人以上なので、中型・大型の免許が必要ですが、キャンピングカーに架装した時に10人以下の乗車定員になっているので、普通免許で大丈夫なのです。

ただし、2018年に以降に普通免許を取った人はお気をつけください。車両重量によっては運転できないクルマがあるんです。

免許取得年によって違う範囲

免許で運転できる区分は上記の表の通りです。以前、普通免許を取得した人は限定免許も付いているので、比較的大きなクルマにも乗れます。しかし、2018年以降の普通免許では3.5t未満と限定されているのがポイントです。

実はこのラインはキャンピングカーの総重量でオーバーしてしまうクルマが出てきます。クルマによって違うのですが、コースターベースのバスコンなどは3.5tを超えることがあるので、最近の普通自動車免許の人はチェックが必要です。

車両の重量もオプションで変わることがある

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車両総重量は架装された後の状態の数値ですので、ベース車両が同じでも、モデルによって重量が変わってきます。また、同じモデルであっても、レイアウトや装備によっても重さが変わってきますので、注意しましょう。

もし、3.5t未満の普通自動車免許を持っている人で、大きめのクルマに乗りたいい場合は、ビルダーやショップのスタッフに相談することをおすすめします。それ以外の人は安心して、ゆとりのあるキャンピングカーを楽しんでみてください。

(文:渡辺圭史)