キャンピングカーを快適にする電気はどのように作るのか?

まめ知識
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サブバッテリーから電源を供給

キャンピングカーのキャビンで利用される電気は、クルマを走らせるために使うメインバッテリーとは別にある、サブバッテリーから供給されています。簡易的な車中泊車両には装備されていないこともありますが、オプションで装備できるモデルがほとんどです。

基本的にはクルマのバッテリーと同じようなもので、12Vや24Vの直流(DC)バッテリーとなっており、いろいろな容量がラインアップされています。リチウムイオンバッテリーなどのハイスペックタイプも存在し、キャンピングカーでの生活は快適になってきました。

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バッテリーがカバーする装備

キャンピングカーの内部は、家のリビングスペースで過ごしているように、快適な装備が整っています。明るい照明に冷蔵庫やTVなど、クルマによっては電子レンジやクーラーまで備わっています。そのほとんどの電気をバッテリーがカバーしているのです。

しかし、バッテリー本体は直流(DC)12Vや24Vという低電圧なので、バッテリに直接接続できる電気製品は限られています。ただ、クルマ用に発展してきたアイテムも多いので、ある程度の快適な環境は保つことができるのです。

バッテリーで利用できる電気製品

12Vや24Vで利用するキャンピングカーの電気製品といえば、メインは照明ではないでしょうか。LEDになったおかげで、消費電力も少なく、明るくなりました。その他にも水道ポンプのモーター、換気扇、ヒーター、冷蔵庫など、いろいろとあります。

冷蔵庫は直流(DC)電気以外にも、交流(AC)電気、ガスなどが使える、3ウェイタイプもあります。また、直流(DC)24Vで稼働するクーラーなども出てきました。しかし、これらはクルマ用に開発されたもので、普段の生活で使っている一般的な家電を使うには、交流(AC)100Vを準備しなければなりません。

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AC100Vを提供するインバーター

12Vや24Vの直流(DC)バッテリーから交流(AC)の100V電源を得るにはインバーターが必要です。電圧を上げて、交流(AC)に変換する装置で、いろいろなサイズがあります。キャンピングカーの場合は、システムとして、家具の裏などに組み込まれているので、表に見ていることは少ないです。

インバーターが搭載されていても、キャンピングカーの電源メインスイッチをオンにしただけでは、AC100Vコンセントが使えるようにはなりません。インバーターの電源スイッチもONにしなければならないのです。コンセントを使用しない時は、スイッチをOFFにして、サブバッテリーの電源消費を防ぎます。

使いたい消費電力(W)をチェック

インバーターには出力の違いがあります。シガーソケットに直接接続するAC100Vコンセントもありますが、このようなタイプは出力が低くなっています。スマホの充電程度であればいいのですが、電気ポットやドライヤーを使いたいなら、大きなサイズの高出力タイプを選ばなければなりません。

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例えば、最大出力1500Wであれば、小さなドライヤーなどが利用できます。さらに、出力を上げれば、ホットプレートや電気ポットなども利用できるでしょう。実際に、自分がどのような家電を使いたいかイメージして、必要出力を割り出してください。

大きな電流が流れるので注意を

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システムとしては、バッテリーにインバーターをつなぐだけですが、素人の施工は危険といっていいでしょう。バッテリーから大きな電気が流れるので、しっかりとした配線が必要なのです。配線の許容範囲を超えたり、不備があると、火災の原因になってしまいます。

「電圧が低いから家庭用のコンセント程度でまかなえる」と考えてしまう人が多いのですが、低電圧だからこそ、大電流が流れることがあるので、太い電線が必要になるのです。だからこそ、電気のシステムを組むのであれば、プロにおまかせすることをおすすめします。

(文:渡辺圭史)