基本的なキャンピングカーカタログの見方

まめ知識
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多くの人が、キャンピングカーを選ぶ時、一般的なクルマと同じように、カタログの仕様や性能を見比べるのではないでしょうか。車両を購入しなくても、キャンピングカーをレンタルする時などは、特にクルマのスペックが気になるものです。

カタログはメーカーから提供されていますが、仕様や性能を確認する方法はいろいろあります。最近では細かい情報まで、雑誌や書籍、インターネットに掲載されていることが多くなっています。もし、いろいろなメーカーのクルマを比較するのであれば、後者が便利でしょう。

仕様やスペックを見てみると、普通乗用車などでは見かけない項目が入っていることに気づくと思います。キャンピングカー独特の言い回しや装備のことであったり、初めて見る人には、理解するのが難しいかもしれません。

そこで、キャンピングカーの違いをチェックする重要なポイントとなる、カタログなどに載っている仕様や性能の見方を確認してみましょう。

乗車定員と就寝定員?

キャンピングカーのカタログには、乗車定員と就寝定員が記載されています。乗車定員とは、クルマを走行させている時に、何名が乗車できるかということ。一般的なクルマであれば、ワゴンタイプの軽自動車で4名、セダンタイプの普通乗用車で5名などが一般的です。

キャンピングカーの場合は、運転席を助手席はベースのクルマと同じですが、後部座席などがレイアウト変更で変わっていることがあります。なので、乗車定員もクルマによって変わるので、明記されることが多いのです。

一方で就寝定員は、キャンピングカー独特の表現で、クルマを停車させた状態で、何名が寝られるかという人数です。ベッドのサイズが決められていて、1.8×0.5mが大人1名のサイズとなっています。キャンピングカーとして登録される条件として、乗車定員の3分の1以上の人数分のベッドを確保しなければいけないという決まりもあります。

登録ナンバー

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キャンピングカーのカタログに、登録ナンバーが明記されていることがあります。8ナンバーと書いてあるクルマは、キャンピングカーとして登録されていることを示します。最近ではキャンピングカー仕様のクルマも多く、1、3、4、5ナンバーと記載されているタイプもあります。

キャンピングカー登録されていれば、税金、車検、高速料金などは8ナンバーが適用されます。それぞれにメリット、デメリットがあるので、どちらがいいとは決められませんが、8ナンバーを取得していることで、キャンピングカーとしての仕様が整っているとも考えられます。ベッドや水回りの装備が装備されていたり、使いやすさを追求した自由なレイアウトを採用していることが利点といえるでしょう。

ベース車両

ベース車両は、キャンピングカーを作る時にベースとなるクルマを表します。バンコンであればハイエースやキャラバンといった車名です。メーカーによっては、クルマのグレードまで記載されていることがあるので、クルマとしての機能装備がどこまで装備されているかも確認できます。

例えば、メーカーがグレードごとに装備する、安全装備などの確認に役立ちます。最近では、障害物を避けるためにブレーキアシストの機能などがトレンドになっています。

サブバッテリー

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ここからは装備の項目になります。サブバッテリーとは、クルマが走るために必要な電気を供給する電源とは別のバッテリーを表します。居住空間の照明や冷蔵庫、TVなどを稼働させるために、クルマの駆動とは別系統で設置されるものです。

標準で装備されているキャンピングカーが多いですが、オプションのクルマもあるので、キャンピングカーでスマホの充電やライトなどを使いたいと考えている人は、サブバッテリーが装備されているかをチェックしておきましょう。

走行充電システム

クルマは走りながらバッテリーに充電しています。エンジンの動力を使って、オルタネーターと呼ばれる発電機で、電気を作っています。この電気を分岐させて、サブバッテリーへ充電させるシステムが、走行充電システムです。

オルタネーターとサブバッテリーをつなぐだけでは、ちゃんと充電されないので、リレーなどを使って、電気の流れを制御しなければなりません。その専用のシステムが、走行充電システムとなるのです。

特にアイドリングストップ機能などが付いていたり、燃費を向上させるために制御されたクルマは、サブバッテリーへの充電が難しくなっています。ビルダーの専門家によって構築されたシステムを導入するのがベストな選択といえるかもしれません。

外部充電システム

クルマが停まっている時に、外部コンセントから電気を取り込み、サブバッテリーへ充電するシステムが、外部充電システムとなります。走行充電と違って、電源が100Vで供給されることが多いので、新たなシステムを組み込まなければなりません。

システムの中には、バッテリー充電器が装備されていたり、ソーラーパネルとの切り換え用のリレーなどが組み込まれています。走行充電、外部充電、ソーラー充電など、同時に対応できるパーツなどもあって、システム構築はビルダーのノウハウが詰まっているといえます。

コンロ

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キャンピングカー登録する時、炊事設備が必要な装備とされているので、炊事設備となるコンロがあるかどうかの表記があるのです。カセットコンロでも要件を満たすので、コンパクトな卓上コンロを載せているクルマも多くあります。

コンロには、カセット、LPGなどの表記も時々あります。これはカセットガスとLPGガスの違いです。国内であれば、どこでも入手できるカセットガスが利用できるのは便利です。輸入車などに多いLPGタンクを利用したクルマは、暖房用のヒーターやボイラーなどのシステムにもLPGが利用されていて、装備が充実しているタイプが多いといえます。

シンク、給水タンク/排水タンク

シンクはギャレーとも表記され、流しを意味しています。これはキャンピングカー登録要件の水道設備の水を溜めることができる設備にあたります。この水道設備には、他に給水タンクと排水タンクの容量も10リットル以上が必要とされています。

8ナンバーではないキャンピングカー仕様のクルマであれば、シンクは必要ないので、シンクレスのクルマもたくさんあります。また、給排水タンク容量は、使い方によって必要な量が変わってくるので、タンクスペースなどを考えて、セレクトするのがいいでしょう。

ベッドサイズ(バンク、フロア)

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ベッドのサイズを表していますが、各数値にバンクやフロアという文字が入っています。バンクとは国内のキャブコンでいう、運転席上部の空間にあるベッドスペースを表します。フロアはダイネットとも呼ばれる、リビングスペースのテーブルとソファーを展開した場所を表します。その他にも、リアベッドや天井から降りてくるダウンベッドなどもあります。

ベッドサイズは就寝定員では分からない、広さを確認できます。大人1人のスペースが撮れない場合でも、子供であれば十分に寝られることがあります。そのようなベッドスペースのサイズが明記されていることもあるので、チェックしてみてください。また、足元が細くなっていたり、変形タイプもあるので注意しましょう。

以上がキャンピングカーのスペックとして明記されている、主な内容です。その他にもいろいろな表現方法がありますので、順を追って説明していきたいと思います。

(文:渡辺圭史)