【防災とキャンピングカー】レジャーだけではない、災害時のキャンピングカーの有用性

コラム

なぜ災害時にキャンピングカー?その有用性とは!?

キャンピングカーは、すぐに利用できるのが大きなメリット。災害発生時は素早い行動が必要ですが、キャンピングカーは、急な避難や立ち退きの際にも迅速に対応できます。車内はプライベートスペースが確保され、安全な場所として機能します。身の安全だけでなく、ストレスや緊張からも解放され、落ち着いて過ごすことができる環境を保つことができるのです。

ほかにも、キャンピングカーは電気や水、ガスなどの生活に必要な設備を備えているので、災害時でも基本的な生活をすることが可能です。トイレやシャワーといった装備があるモデルであれば、さらに快適な環境を維持して過ごすことができます。

また、フラットなベッドスペースを備えており、長時間同じ姿勢で過ごすことによる健康リスクを軽減する効果もあります。災害時には避難所などでの滞在が長期化することも考えられますが、キャンピングカー内で生活することで、エコノミー症候群の予防にも役立ちます。

災害時に不可欠な情報収集のための通信も、キャンピングカーの電源を活用することができます。キャンピングカーはエンジン用のメインバッテリーとは別に居住空間用のサブバッテリーを搭載しているため、電源の確保が可能です。これによって、通信手段などを維持することができます。

このように、キャンピングカーは災害時において身の安全を守り、落ち着いて過ごすことのできる生活環境を提供し、電源確保や通信手段の維持にも役立つ存在になれるのです。

キャンピングカーで防災対策

日本RV協会が全国のキャンピングカーユーザーを対象に行った調査では、「キャンピングカーが災害時に活躍すると思う」と回答したユーザーが98.3%に上り、キャンピングカーが防災対策として広く認識されているということが分かりました。
また、キャンピングカーで災害時に確保できると感じるものは何かという問いに対しては、91%以上の方が「プライバシー」と回答しました。避難所などでプライベートな空間が持てないことは身体的・精神的な苦痛に繋がりますが、キャンピングカーでは家族単位でのプライベート空間が確保できるため、ストレスを軽減することが出来ます。
避難所にはペットと同行できない所も多くありますが、キャンピングカーであればペットと一緒に避難することが可能です。このように、プライバシーのある家族だけの安心できる空間は、災害時に役立つキャンピングカーの特性の一つといえます。

日本RV協会の防災に対する取組み

日本RV協会では、防災に関し積極的な取り組みを行っています。地方自治体が主催する防災訓練への定期的な参加や全国のキャンピングカーショーでの防災ブースの設置など、その活動は多岐にわたります。
キャンピングカーを展示し、車両の機能や利点を多くの人々に直接体験してもらう機会を提供し、キャンピングカーを活用した防災に関する啓蒙活動を行っています。「くるまの防災ハンドブック」の発行と配布も行い、ユーザーの防災意識を高めるための活動をしています。

また、日本RV協会は昨年の宮城県栗原市との包括連携協定の締結に続き、今年、静岡県浜松市および岐阜県大垣市と災害協定を締結するなど、自治体との間でも災害対策に関する取り組みも行っています。これらの協定は、キャンピングカーの特性を活かし、災害発生時の支援や被災地の復興サポートにキャンピングカーを活用するためのものです。

今後も日本RV協会は、自治体との協定の締結を通して、キャンピングカーを活用した災害対策や防災支援を全国に展開していく予定です。

※「くるまの防災ハンドブック」はこちらから https://www.jrva.com/media/bosai-handbook20240131.pdf

※JRVAの「防災への取組」はこちらから https://www.jrva.com/activity/disaster/

被災地でキャンピングカーが活躍!その活用事例とは!?

日本RV協会では、令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」で、1月5日に石川県からの要請を受け、会員企業に被災地派遣車両の募集を行い、1月11日より石川県珠洲市、輪島市への応援自治体職員の宿泊施設として、 キャンピングカー60台を派遣しました。被災地での宿泊場所の確保が難しい環境の中で、派遣したキャンピングカーは、全国からの応援職員の宿泊施設として活用されています。

その他、東日本大震災では、キャンピングカーがボランティアの方々の宿泊や休憩の場、災害対策本部の会議スペースとして活用されました。

局地的な被害が大きかった熊本地震の際には、JRVAから提供されたキャンピングカーが、被災者の生活支援に貢献しました。この際、医療用のキャンピングカーも用意され、医療現場での活動や支援も行われました。

また、キャンピングカーの特徴である空間の広さ、就寝スペースが確保できる点を活かし、遠方から数日かけて大量の物資を運んだ事例もあります。キャンピングカーの積載能力が有益に活用された事例もありました。

このように、キャンピングカーの災害時の使用目的は多岐にわたり、宿泊所や休憩拠点、移動可能な避難シェルターなど、被災者を支援する方々にも活用されています。

※令和6年能登半島地震における日本RV協会の支援状況についてはこちらからご覧いただけます。

https://www.jrva.com/noto-peninsula

「一般社団法人 日本RV協会」とは

くるま旅と車中泊の文化を創出することを目的とし「日本にキャンピングカーというカルチャーを!」をテーマに、普及・市場の育成・環境整備の活動を行っているキャンピングカー製造・販売事業者等の会員で構成された団体です。

 ▼日本RV協会のウェブサイトはこちら https://www.jrva.com

写真提供:日本RV協会 文:山本公紀